終戦の日に…
ハリー・ポッターをなぜ発売当日に買わなかったかと言うと、その時ある面白い本を読んでいたからである。旦那が「これ面白いよ。」と貸してくれた本は”世界史の中の昭和天皇”というタイトル。私は明治初頭から昭和初期にかけての混乱の時代の人物史に興味があり、”白洲次郎~占領を背負った男”という本の関連で読んでみた。
この時期の人物史には必ず”戦争”というものが絡んでくるが、今まで政治には興味がなくその手の本は読んでみた事がなかった。しかしこの本は単なる昭和天皇の人物史に留まらずその軌跡を追う事で、当時の天皇論や軍部や内閣との関わりから近代日本史を理解できるよう構成されている。ゆえに学校で勉強した”満州事変”や”二・二六事件”、”真珠湾攻撃による第二次世界大戦の勃発”などををいかに浅く理解していたか、改めて考えさせられた。
あくまで立憲君主制をとりたい昭和天皇に対し、軍部の横行が泥沼化していく中でいつのまにか「現人神(あらひとかみ)」を演出され、いかに専制君主化していったか。
いかに敵対する連合国軍の兵力分析ができていなかったか。
いかに兵器の技術進歩を軽視していたか。
いかに指導者として見識にかけた人物が日本の命運を握っていたか。
それらが時局の流れとともに実によく理解できるように構成されている。
随分と早い段階から昭和天皇はこの戦争を終わらせようと暗躍していたことや、満州での軍部の横行や東京大空襲、原爆投下などの正確な情報は隠され続け「深刻に受け留めるべきものではない」と報告されていたことなど、この本を読んで初めて知ることはとても多かった。
「天皇陛下万歳!」と言って死んでいった若い兵士の命に悲しみ、その心痛のため不眠症に苦しみ、かなり体力も落とされていたことも知らなかった。
そして占領軍最高司令官マッカーサーに会いに行き
「敗戦に至った責任はすべて私にある。私の一身はどうなろうとかまわない。どうか国民が生活に困らぬよう連合国の援助をお願いしたい。」と言ったこと…。
昭和天皇がどう偉大であったのかを深く知ることができ、読みごたえがあった。
もう10年以上も前に発売され現在は絶版になっている本だが、読んでみる価値の大いにある本だ。
さらに特筆すべきは著者が外国人というところ。日本人じゃなくてもいろいろな資料からそう判断するのだ、という視点でも読めて感慨深い。
教科書では教えてもらわなかった日本史を、この終戦の日にお勧めする。






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