望郷の道
私は幕末から昭和初頭の時代の人物記が好きなのだが、たまたま北方謙三の「望郷の道」という作品を知り、ずっと読みたいと思っていた。やっと農閑期となり読書する時間もできたので、早速読んでみた。
ストーリーは北方謙三の曾祖父で、「新高ドロップ」などで知られ戦前の4大菓子メーカーの1つに数えられた新高(にいたか)製菓の創業者・森平太郎をモデルにした小説。
時は明治。北九州・遠賀川流域で水運業ほか手広く商売を営む小添家の三男正太と、佐賀で三つの賭場を持つ藤家の一人娘にして、女親分でもある瑠瑋が出会うことで物語は幕が開く。藤家の婿となった正太は、並外れた才覚で一家の勢力と稼業を広げていく。だがそこで同業者との摩擦と確執が表面化。卑劣な罠に落ち、彼らは窮地に陥る。
九州所払となった正太は裸一貫で台湾を舞台に事業を拡大していく。「無法ば通したらいかん」という生き方を貫き、不公平を許さない。骨太な男と女の生きざまを描いた長編で、圧倒的な”筆力”で書かれた激動のストーリーだ。
実に痛快であっという間にのめりこみ上下巻を4日足らずで読んでしまった。その筋の通った啖呵の1つ1つが実に小気味好い!北方謙三は初めて読んだが、アクのある人物像からは想像できないくらい、自然な表現と描写で読みやすかったァ。
久しぶりに好い小説に会った!
「水滸伝」が終わったら、ぜひほらっちょ氏にも読んでもらいたいな。![]()







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